日枝神社の絵灯籠
日枝神社の絵灯篭

西田町根木屋にある日枝神社(ひえじんじゃ)に伝わるお話

征夷大将軍、藤原忠文(ふじわらのただふみ)の5代目の子孫に、木部左兵衛介顕房(きべひだりひょうえあきふさ)という人があった。
顕房が、将軍源義家(みなもとのよしいえ)公に従い、奥州に旅した時のこと。


根木屋のこの地まで来たとき、部下の兵士たちの労をねぎらってひとやすみした。
そしてこの時、近江(おうみ)の国、比叡山王大権現(ひえいざんさんのうだいごんげん)からいただいて大事に持ってきた御神酒(おみき)をみんなでいただいだ。


その空になった酒がめを神様の依り代(よりしろ)としてまつり、神社を建てたのが、日枝神社の始まりだと伝えられている。

【ことば】

御神酒(おみき)…神様にお供えしたお酒
近江(おうみ) …今の滋賀県のあたり
依り代(よりしろ)…神様が宿るもの

〇再話 渡辺雅子
参考文献 郷土史 日枝神社由緒(神社名細書・昭和42年)