関根の石造塔婆(三町目)

説明

石造塔婆(いしづくりとうば)というのは、仏教への信仰を表すために立てる石の塔のこと。

関根の塔婆にはぼん字という古い文字で「ア」が刻まれている。

弘安元年と彫ってあり、西田町では一番古い石造塔婆である。


所在

郡山市西田町三町目字関根(見学自由)

市指定重要有形文化財(平成3年2月19日指定)

もっとくわしく

鎌倉時代に、秩父緑泥片岩に種子を刻み、諸仏尊の標識として路傍に建立する信仰が起こり、鎌倉御家人たちが守護地頭制をもとに全国に赴任するに伴い、全国的に分布し、地方では凝灰石や花崗岩、安山岩などの自然石を用いるようになりました。

この塔婆は南向きに建立され、主尊大日如来(胎内界)の種子『ア』を標識として薬研彫りされ、紀年銘は『弘安元年大才戊刀4月日』(1278)と刻まれています。

西田町ではこれを最古として、文和3年(1354)に至る石造塔婆群が分布確認されています。

鎌倉時代に河川・陸上交通の重要地として史書・記録文書が残されています。

これら鎌倉仏教文化を示す石造塔婆群の豊富さが、西田町はもとより郡山地方中世の繁栄を裏付けています。

自然石利用の石造塔婆群、さらに弘安元年の紀年銘をもつものは他にはありません。

『郡山市の文化財』より抜粋 

※種子(しゅじ)‥仏の名前などをひと文字で表すぼん字(古くから仏教などで使われる字)

右側は石造り五輪塔婆

参考文献

『郡山市の文化財』   
監修 郡山市文化財保護審議会
発行 平成13年3月
編集  郡山市教育委員会文化課

関連ウェブサイト